「自家製りんご酵母で焼くパン」が先週の水曜日に発売になりました。
りんご酵母のパンの本を出版しませんか?というメールを編集者の方からいただいたのが今年の1月。
あれよあれよという間の六ヶ月でした。
編集者、デザイナー、カメラマン、スタイリスト、ライター、パン職人、全員が女性。
編集の茶木さんは小さい体にいっぱいの情熱を込めて、いい本をつくる!というゴールへ、着実にスタッフの舵取りをして下さっていたように思います。
これは、しっかりやらねば!
彼女の熱意に押されるように、休日は完全返上という状態での本作りとなりました。
すべての撮影が終了し、校了も終え、原稿が自分の手を離れたとき、寂しささえ感じてしまうほど、本づくりにどっぷりの日々。出し切った〜という状況だったのかもしれません。
りんご酵母の魅力って何だろう?
この質問に対し、いつも頭をかすめるのは、「はじまりはひとつのりんご」という言葉です。たったひとつのりんごを発酵させた種をひたすらかけ継いでいるのがわたしのやり方です。
その一個のりんごからいったいいくつのパンを焼いただろうか?それは何人の人の胃袋に入ったのだろうか?そう考えると、心がふと温かくなります。
つながっていく思い、かけ継がれていくもの、その存在に気づくとき、自分の境界や限界を超えていく力をそこに感じています。
いつもながら、りんごの酵母はとても大切なことをわたしに気づかせてくれるのです。
今回は編集の茶木奈津子さん、デザイナーの天見美保子さん、カメラマンの滝沢育絵さん、スタイリストの道広哲子さん、ライターの葛山あかねさん、料理製作アシスタントの武藤裕樹さん、ロケーションサービスの西田昭さん、みなさんのおかげで、また一歩足を前に進めることができました。深く感謝しています。
この本が多くの方のお役に立てることを願っています。