料理のプレゼンテーションは、おいしそうという印象を与えるためにとても重要なものだし、作る側の人間にとっては料理の楽しさの1つとなっている部分です。私もプレゼンテーション先行でメニューを考えていくこともあり、素材選びやレシピの内容と同じくらい重要視しています。当然、レッスンでもその辺の質問が多いので、きょうはそれについて書いてみます。
このメニューは今月のフレンチベーシックレッスンのメニュー。牛テールと夏野菜のテリーヌ。夏らしく、はつらつとした印象を与えるためにカラフルに野菜をチョイスしていますが、暑苦しくならないように注意。涼しげでクリアーなイメージを与えたいので、バルサミコとオリーブオイルのソースを添えています。
こちらは先月のメニュー。赤ピーマンのムースです。6月の料理なので、赤ピーマンと言っても、太陽ギラギラではなくおだやかな印象を目指しました。赤ピーマンのムースを鯛のごく薄いカルパッチョで隠し、サーモンピンクの色彩に変化させました。上にあしらっているのはタコのカルパッチョ。スライスしたタコは反り返るので、その動きを生かして盛りつけています。全体的に淡い色調でまとめるよう意識しています。雨の朝、庭に咲いた一輪の白い花、みたいなイメージです。
いつもいつも作り込んだ盛りつけがいいという訳ではないですよね。こちらは酵母パンとビストロ料理の6月メニュー。パンドカンパーニュと鴨のコンフィです。ざっくりと心地のよい盛りつけは食欲を盛り上げてくれると思います。我が家のふだんの食卓はざっとこんな感じです。とはいっても意外と難しいサラダの盛りつけ。「葉と葉の間に空気が流れるよう」盛りつけるのがいいです。下の葉っぱが押しつぶされそうな感じでは息がつまります。
たまにこんな正統派な感じもあり、です。オールドクラシック、ザ・フレンチ、な盛りつけです。こういうときは同系色でまとめるとすっきり洗練された感じになります。にんじん、いんげん、ブロッコリー等で下手にカラフルにしてしまうと、古くさいイメージになってしまう恐れが・・・
同じレシピでも盛りつけを変えれば、全然違う印象になるので、そういう実験的なレッスンもやってみたいな、と思っています。